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排除の空気に唾を吐け 雨宮処凛【本の感想・レビュー】

この十数年で、「生きる」に付随する様々なハードルが一気に上がった。大学をでて「どこかの会社に入社」すること。結婚すること。子どもをつくること。昇進すること。定年まで働くこと。趣味を生かした余生を送ること。そんな「絶望的」と言われた「理想的な人生」を獲得するため、小さい頃から子どもたちは「格差社会の恐怖」を叩き込まれ、「競争、競争!」と力説され、塾通いをさせられ、周りすべてが「敵」「ライバル」と化した教室では当然いじめが蔓延し、場合によってはいじめが原因で命を失う。

「普通に生きていく」ということが、「とてつもなく困難なこと」になってしまっている気がします。

「製造業の派遣切り」のニュースがよく報道されています。
「派遣切り」をされてしまった方たちのは、すごく普通の人生を生きてきています。

ひょんなことから、「非正規社員」として製造業で働くことになった。真面目にコツコツ働いてきた。それがこの不景気で、リストラをされ、職と同時に住処を失った。そして、行く場所がなく野宿生活に陥った。なんでこうなったのか、わからない。。。

一昔前なら、一生製造業の工場でモノをつくる人生だってあったはず。
今、ホームレスに陥ってしまった方も、時代が違えば「ささやかながら、幸せな人生」というものをおくれた方たちような気がしてなりません。

うちの親は団塊世代で「逃げ切った」世代です。
23区のはじっこ(駅から徒歩10分圏内の3DK)の都営住宅で「年金生活に入ったから家賃がタダ。贅沢はできないが、年金で暮らしていける」と申しておりました。。。

精力的に「町歩き(「ウォーキング」なんて格好のいいもんじゃない)」のイベントに参加したり、交通費無料(お年を召した方はタダにしてくれます)のバスに乗り図書館にいったり、お金のあまりかからないレジャーを楽しんでいるようです。

うちの親は、特に優秀でなくても、とりわけ勤勉でなくても、多少のゴタゴタはあっても、普通に生きてこれてます。
(それがけっこうすごいことだとは思う)

そういった「普通に生きる」ためのハードルがあがってしまってます。

その「ハードル」を前に立ちすくんでいるのが、「ハードル」を越える力を身につける前に世の中に放りだされてしまった若者たちです。

最初に30センチのハードルが目の前にあって、次が40センチで...、というのなら、いつかは1メートルのハードルが越えられる日がくるかも知れませんし、そういう可能性を信じられる気がします。

でも、いきなり1メートルのハードルをつきつけられ、「飛べ」と言われ、飛ぶことができないで激突して怪我をして膝をかかえていると「努力が足りない」「根性がない」「それくらいで諦めるな」と言われ責められる。

そういう状況が起きているのではないでしょうか?

30センチのハードルから始めて、何年もかけて1メートル以上のハードルが跳べるようになった世代は、そんな昔のことは忘れています(;^_^AA

今の若者たちの苦難は、そういった部分にあると思います。

お仕事柄、そういった方たちに接する機会もあるので、できる範囲でできることをしていこうと思います。

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▼雨宮処凛さんの本


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keikeiakaka
管理人:けいけいあかか
自称:ライフデザイナー。 やりたいことが多すぎて、 人生の秋休み中。 節約&エコ&本&放浪好き。 2011年夏に日本一周を達成。 次は世界一周を夢見つつ webサイトの更新をする毎日です。


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