ライフデザインTOP> 本の感想・レビュー・書評TOP > 小説 > 下流の宴 林真理子 【感想】

下流の宴 林真理子 【感想】

僕(=父)はいつかあの子(=翔)が気がついてくれると思ってた。こんな社会の底辺で、安い給料でこきつわれるのはイヤだって奮起してくれるのを待ってたんだ。だけど、この頃わかった。あの子は、ずっと気づかないし、奮起しないだろう。僕は親(=おばあちゃん)にそうガミガミいわれたわけじゃないけど、いい学校出て、いいところに就職をしなければいけないっていう考えが刷り込まれていたんだろうな。だけどあの子にはまるでそれがない。おそらく奮起、なんてことと一生無縁に暮らしていくんだろう(夫婦の会話で父が母に言った台詞)

あのananを後ろから開かせる林真理子が「下流」とは?という思いから「下流の宴」を手にとりました。
2011年5月末からは、NHKでドラマ化もされています。
(原作と微妙に設定がかっているようですが。。。)

まあ、いつものように、えげつない、人間のあるがままの姿を赤裸々に語ってくれているわけです( ̄◇ ̄;)

自分の家庭を、東京の「いい家庭」と信じて疑わないの母(ドラマでは黒木瞳。以下同様)に飲み込まれそうになりつつ、マイペースに、4人家族の長男として愛されて育った翔(窪田正孝)と、沖縄の子沢山、親もいーっぱい!のおおらかな家庭で育ったタマちゃん(美波)とが結婚を決意したときから喜劇がはじまります。

うん。「悲劇」ではなくて「喜劇」だ。

翔の母や父(渡辺いっけい)のような価値観は、そういう考え方もあるよねー、とは思うのですが共感はできないのです。
苦労人のおばあちゃん(野際陽子)のようにがんばって生きてきた方には、素直に「凄い!!」と思えるのですが。

年齢はともかく。
私は翔であり、タマちゃんでもあります。

可奈(加藤夏希)のようには、生きてこなかったなぁ。
可奈のような女性をたいそう嫌っていた時期もあったのですが、37歳独女となった今では「あっぱれ」と思うようになりました。

最終的にはその人の「個性」とはいえ、昔の人も必ずしも「奮起」しなかったのではないでしょうか?
例えば...「ゲゲゲの女房(→読んだ感想)」のように、与えられた環境の中で精一杯生きていく人生も少なからずあったように思います。

ご飯が食べれて、住む場所があって、着るものがあって。それで充分。
「向上心がない」ように見えますが、「足ること」を知って「無い物ねだり」をしない生き方。

確かに翔の父の言うように「社会の底辺で、安い給料でこきつわれる」生活なのでしょうが、生きていくんであれば、それでいいのでは?と翔の生き方にシンパシーを感じたりもします。

そういった翔のような人間を理解もし、共感もする一方で、歯がゆくも思います。
私も、タマちゃんのように、何年かに1回は奮起をするので...

私にも「がんばれば、きっと、明日はいいことがある!」的な価値観がすりこまれていて、かつ、「そうだね。」と実感した経験もあります。

だから、翔でもあって、タマちゃんでもあります。

いろんな世代の価値観、思いが極端なカタチで書かれていて、面白い。
自分と異なる価値観、思いを理解しようとする入門書によいでしょう。

また、テレビドラマは原作と設定が微妙に異なるようです。例えば...
( ̄▽ ̄)σ受験のカリスマ(遠藤憲一)は、テレビドラマでは母の幼なじみですが、原作ではタマちゃんのバイト先のお客さん(ゲイ)の友人。
( ̄▽ ̄)σ父はテレビドラマでは、リストラされてしまうようですが、原作ではそのような設定はありません。
テレビドラマ「下流の宴」の公式サイト

テレビドラマで「林真理子の下流の宴」に興味をもったなら、原作を読んでみてもよいのでは?

★楽天で「【送料無料】下流の宴」の詳細をみる
★Amazonで「下流の宴」の詳細をみる

林真理子さんの著書・作品一覧


▼林真理子の作品


ライフデザイン・人生設計に効いた本の感想・レビュー・書評

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://life--design.com/cgi-bin/smileserver/mt/mt-tb.cgi/1379

コメントする

keikeiakaka
管理人:けいけいあかか
自称:ライフデザイナー。 やりたいことが多すぎて、 人生の秋休み中。 節約&エコ&本&放浪好き。 2011年夏に日本一周を達成。 次は世界一周を夢見つつ webサイトの更新をする毎日です。


アーカイブ