開拓者たち 北川惠

子供のころから、こうなったら嫌だな、と思うことがたびたび起きた。嫌だと思っててもしょうがないから。まあいいって思うことにした。運命を受け入れるってことだ。(速男の言葉)
 
いいかい、富枝ちゃんにもおんなじことを言ったんだけどね。世の中おかしいと思うことはいっぱいある。あんたたちの苦労だってそうだ。でもさ。つらいことより楽しいことを考えたほうがいいからさ。あんたも元気でやるんだよ。ほら、そんな顔しないでさ。笑ってごらん」(千草の言葉) 
                 

「本が好き!」さんから献本していただきました。

2012年1月『日中国交正常化40年・BSプレミアム開始記念』スペシャル・ドキュメンタリードラマの小説版です。
戦前に「大陸の花嫁」として、旧満州に渡った女性の半生を、史実をもとにフィクション化したものです。

400ページを超える厚めの本ですが、徹夜をして、いっきに読んでしまいました。

主人公のハツは、宮城県の寒村から「大陸の花嫁」として、旧満州に渡ります。
写真一枚で、結婚を決めた無骨ながらも優しい速男の計らいで、兄妹たちをよびよせ、子供もでき、充実した日々を送っておりました。

けれど、戦況が悪化して、男性たちが兵隊にとられていきます。
日本が戦争に負け、日本への「引揚げ」が、はじまります。

満州では、「何が起こっているのか?」「どうすればいいのか?」の、情報を知らされずに。
軍人さんたちには、戦後に補償がでたのに、開拓者たちには、でなくて。
たくさんの犠牲をはらいながら、命からがら、日本に帰ってきても、居場所がなくて。

だからこそ、「まあ、いい」「ほら、そんな顔しないでさ。笑ってごらん」という言葉が支えになるのでしょう。

「あきらめ」「服従」「投げやり」「やけ」「空元気」ではなくて、起きてしまったことを運命として受け入ること。
受け入れることができる、度量をもつこと。
そこから、次へ、一歩を踏出すこと。

それが「まあ、いい」「ほら、そんな顔しないでさ。笑ってごらん」の本質なのでしょう。
主人公たちの「生き抜く姿」に、すがすがしさ、ある種の神々しさすら、感じました。

今の世の中「生き抜く」という意志がなくても、何となく生きていけてしまいます。
命の危機にあわない限り「生きている」という実感すらないのかもしれません。

ただ、「生きる」ということを、考えざる得ないことが、いろいろと起きています。
日本人が、何を支えに生き抜いてきたか?を知るために、読む価値のある本です。


Amazonで「開拓者たち」の詳細をみる
楽天で「【送料無料】開拓者たち」の詳細をみる

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://life--design.com/cgi-bin/smileserver/mt/mt-tb.cgi/1581

コメントする

keikeiakaka
管理人:けいけいあかか
自称:ライフデザイナー。 やりたいことが多すぎて、 人生の秋休み中。 節約&エコ&本&放浪好き。 2011年夏に日本一周を達成。 次は世界一周を夢見つつ webサイトの更新をする毎日です。


アーカイブ