小説の最近のブログ記事

栄吉:あなたには...やはりそれがふさわしい帽子です
わたし:そう...わたしは...踊り子のおかげで変われた...(中略)さようなら...愛しい伊豆の踊り子よ...僕は君に永遠の青春をもらった(以上、引用)
読み継がれている「名作」には、それなりの意味があるはずなので、「名作」にあたっています。 ...手軽さを求めて「コミック版」になってはいますが。

「川端康成」のお名前はもちろん「伊豆の踊り子」の作者であることも、
「トンネルをぬけると、そこは...」という「雪国」の冒頭文も知っているのですが、
川端康成氏の作品を読むのは、今回がはじめてです。

いろいろな解釈があると思うのですが、20歳の主人公「私」の成長物語ととらえました。

「私」は旧姓高等学校の学生さん。
一目見たら「超エリート」と分かる学帽かぶって旅にでます。

自分の中身に自信があまりなく、いれものに頼りたいのかも知れません。
途中で、その帽子を脱いで、他の帽子をかぶり、伊豆の踊り子たちと旅をします。

「将来のエリート」と「旅芸人(下層の方たち)」との身分の違い
20歳と14歳(お風呂で裸で手を振るという幼さ)という年の差

そういったものを乗り越えて踊り子のことが好きになります。

ただ「私」が旅の終わりに選んだのは、もう一度旧姓高等学校の帽子をかぶること

東京に戻って、エリートとして生きることです。

旅の途中でかぶっていた帽子を栄吉に渡すのは、その決意表明なのでしょう。

栄吉の台詞には「旅芸人と旅を続けるより、エリートとして生きるのがあなたにはふさわしい」という意味も含まれている気がします。

もし「私」が、伊豆の踊り子と一緒に生きていくことを選ぶのなら
大島に会いにもいけるだろうし、もう少し、踊り子が大人になるのを待つこともできるはずです。

「私」はあえて、そうしない選択をしたのです。
このあたりの決意の仕方、美意識のありようが、「昔の人」なんだと思います。
「そういう考えもあるよね」と、理解はできても、「わかる」と共感はできないと言うか。

「踊り子のおかげで変われた」「さようなら」「僕は君に永遠の青春をもらった」と
船の中で踊り子のことはすでに「過去のこと」になっています(汗)

すべてを思い出にして、東京でエリートとして生きる決意をしたのでしょう。
ただ、旅の前と違うのは、自分に自信をもっていること。

そしてつらいことや、悲しいことがあると
「いい人ね」と踊り子からもらった言葉を反芻したり、
踊り子からもらった櫛をとりだして眺めるのでしょうね...。

そのシーンが目に浮かびます(笑)

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美貌がなくたって若さがなくたって、この上手い口だけは元気に回る。だったらどこででも生きていける。(引用)

この小説を読み、2009年に起きた「結婚詐欺」事件を思いだしました。

30代半ばの女性が、結活を通じて親しくなった数人の中高年男性から
9,000万円近くだまし取ったとされる事件です。
しかも、彼女の周囲で4人の男性がなくなっています。

それだけの男性を惑わせ、大金を動かさせているだから、
さぞ容姿端麗で艶やかな方なのでしょう...と思ってみた顔写真が
まったくもってふつうの容姿でびっくりしました。

新聞に掲載されている写真なので「ベストショット」とはいかないのでしょうが、
「平凡」「地味」「普通」「目立たない」と表現するのがぴったりでした。

どうしてこの容姿で「結婚詐欺」をしようと思い立ったのかしら?と、不思議でなりませんでした。
※こういう人様の「容姿」の話をするときには、自分の容姿は棚にあげています※

その理由が「堕ちてゆく」を読んで、少しは分かった気がします。
きっと「自分がアイドルになれる小さな場所」を探していたのでしょう。

平凡な容姿を生まれもった多くの女子にとって
「自分がアイドルになれる小さな場所」は恋愛が一番手軽です。

結婚は「自分がアイドルになれる小さな場所」を永続させる方法のような気もします。

で、事件を起こしてしまった女性も
「自分がアイドルになれる小さな場所」に満足していたらよいのに、
ひとつの欲望が達成され、次から次へと欲がでてきてとまらない!状態なってしまったのでは?

その結末が逮捕にいたる訳です。

たいていの人は「小さな場所のアイドル」で満足しているから、平和なのでしょう。

引用した「拝み屋の家の女」の主人公は
美貌や若さがなくても、上手い口があれば
「どこでも生きていける」=「自分がアイドルになれる場所をつくれる」と言っています。

美貌も、若さもない毒女としても、そういった「何か」をみつけなければ...と思いました。


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友は最後の苦い杯をのむことを運命から強いられて そこで彼は本当の彼をして生きるだろう......!!
彼は孤独の道に神の言葉をきく!僕のわきには天使が居て僕をなぐさめ僕に勇気を与えてくれる......!!
自分は反って今後の「彼」がこわい......しかし自分も負けてはいないつもりだ......!!(引用)
文豪:武者小路実篤の「友情 (新潮文庫)」をコミックにしたものです。 最近、このシリーズにはまっています(汗)

友人同士の男性ふたり(野島と大宮)、女性ひとり(杉子)のよくある三角関係のお話です。

野島が杉子に恋をします。
大宮は、自分が杉子に恋をしているのに気がつきつつも、
野島と杉子が相思相愛になること望みます。

しかし、杉子が大宮に恋をして。
大宮は、悩みつつ、野島との友情より杉子への思いをとります。

話としては、美しいのですが、もっと正直に、ざっくばらんに、フランクに生きればいいのに。

大宮が自分と杉子の気持ちに気がついて時点で
野島に「実は...」と打明けていれば、傷はもっと浅くて済んだ気がします。

この前読んだ「野菊の墓」もそうなのですが、
昔の方は「世間体」とか「常識」だとか「戒律」だとか「規範」だとかで自分を縛っていた気がします。
「年上の嫁はみっともない」「友情が何より大切」など、わからないでもないのですが、
何だかなーという価値観、考えです。
もしかすると古きよき「日本の美意識」なのかもしれないのですが。

「そういう昔ながらの価値観、考えが人間を不幸にすることもあるよね」ということに気がついて
徐々にあけっぴろげな世の中になってきたのでしょう。

野島も大宮も、この経験を糧に大きな人間に成長してほしいものです

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以下、引用
15歳の政夫:僕は民さんの思うとうりになるつもりだから民さんもそう思っていてください
政の母:斉藤の家に二つも年上の姉さん女房をもらうなど体裁が悪い この私が承知しないよ
おじいさんになった政夫:いまだ僕のこころは民さん元を離れずにいる
松田聖子さんや、山口百恵さんが民さんの役になって映画化もされた伊藤 左千夫氏の作品がコミックになりました。 プラトニックな恋を描いているので、トップアイドルでも出演交渉がスムーズにいくのでしょう。

話は15歳の政夫と、17歳の民の淡い恋の物語です。
昔の10代なので、くっつきそうで、くっつかない微笑ましい恋です

本人同士が好きあっているのに、政夫の母の言う
「二つも年上だから体裁が悪い」って何なのでしょうか?
この政夫の母も極悪非道な方ではなく、一族思いのいい母なのです。

民は、家族、親戚の気持ちをくんで、別の家に嫁にいきます。
そして命をおとします。

民の枕元から、政からもらったラブレターがでてきたときには、わたしは涙しました。

お墓に駆けつけた政夫が
「なんで僕はまだ15なんだ。なんで民さんより年下なんだ」と号泣するシーンでも
涙します。

でも今の世の中だったら、「女子がふたつ年上」なんて、大した問題にならないと思いました。

年齢・性別に対する偏見、差別がなくなってきているので、世の中はよくなってきているのでしょう。
政夫や、民の涙のひとつひとつが、世間を変えるパワーになったのだと思います。

政夫がその後どんな人生を歩いたのか気になります。
民さんを思いながらも、幸せな人生を送れているといいですね

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背負い投げで教えてもらったのは基本だけだった。その基本を学びながら練習の中で繰り返し自らのオリジナルを作っていく。自分の体型や特徴にあった背負い投げである。(引用)
アトランタ、シドニー、アテネと3回のオリンピックで金メダルをとった柔道家:野村忠宏選手。

男子柔道60キロ級で活躍をし、好きな選手なので、著書を読みました。

読み終えた感想は「野村忠宏選手は『努力の人』だったんだ!」でした。

記憶が正しければ、アテネオリンピックで金メダルをとったあと、
控え室にひきあげるさいに、女性タレントにマイクを向けられ、
「あれ?吉田(秀彦)先輩は?」とあっけらかんと、しておりました。

「3回連続オリンピックで金メダル獲得」という前人未到の偉業を成し終えたあとなのに
「ひと汗かいてきました!」というような「何でもなさっぷり」に、みているがびっくりしました。

きっと「3歳から柔道をはじめ、ずっと日のあたる道を歩んできたのでしょう」と思っていたら
高校の頃までは、カラダも小さくさほど目立つ選手ではなかったようです。

引用させてもらったように、ひたすら練習を繰り返し、カラダにしみ込ませること19年。
「自らのオリジナルの背負い投げ」ができるようになったようで、
アトランタオリンピックで金メダルを獲得します。

19年かー。そんなに時間がかかるんだー。
そこまで努力をし続けたことが凄いです。

「オリジナル」は、人に教えてもらうものではなく、
くり返し、反復して、カラダに基本を覚え込ませることで体得をし、
自分でみつけるしか、ないんですよね、結局

時間をかけて獲得したものは、そうカンタンには崩れないみたいで
35歳を超えた今でも一線の選手であり続けています。

自分もweb人として「オリジナル」になります。

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でもオレたちは日本帝国のために働いているって思えばな...

森本さんの星火(こころ)は労働者の勇気になったんだ

会社は一文銭も与えずに淺川を捨てー...(ざまぁみろだが)「ちくしょうダマされた」と淺川は叫んだらしい


「プロレタリア文学の代表作」と「歴史」で習って以来気になっていた「蟹工船」。
小樽旅行のさいに「小樽ゆかりの作家」として、原作者:小林多喜二氏が紹介されていた縁もあり、まんがになっている「蟹工船」を読むことにしました。

この小説(マンガ)には、資本家、現場監督、軍隊、労働者、お金持ち、貧乏人といろんな立場の人間がでてきます。

労働者同士が、些細なことで敵対をしたり。
現場監督が、労働者のことを搾取の対象としかみていなかったり。
資本家が、現場監督や、労働者のことを利益を生みだすものとみていたり。
資本家は、労働者が「組織化」「団結」するのを恐れていたり。
労働者が置かれている劣悪な環境に、あきらめていたり。

いろんな状況がありますが、根本的な問題点は
異なる立場の人間に対して
「一緒に生きていく仲間」という認識が欠落していたり、
より多くの利益を生むために
「気づかなかったこと」にしていたりすることなんだと思う。

資本家がいるからこそ「蟹工船」という船が出港でき、
(劣悪な労働環境ですが...)雇用が生まれます。

現場で働く人間がいるからこそ、「現場監督」という仕事が生まれ、
資本家も利益を得ることができるわけです。

資本家は、そいういった仕組みを理解しています。
しかし、労働者たちが、団結して労働環境の改善を要求してくると面倒です。

「現場監督」を間に挟むことで、「軍事力」を準備することで、まるく治めようとします。

労働者は、「お国のために働いている」と自分にいいきかせながらも
「現場監督」に怒りの矛先を向けます。

ストライキのあと、資本家は「現場監督」をクビにして、
労働者の矛先が自分に向けられないことに成功します。

こう考えると、やってきたことは極悪非道ですが、
中間管理職の現場監督:淺川がかわいそうな人間に思えてきました。

資本家は、彼ひとりを犠牲にすることで、
多くの労働者を「蟹工船」にとどめることに成功しました。

これで、資本家が労働者を「仲間」とみなすようになってくれればいいのですが
「労働者がいなくなると困る」と思ってはいても
「仲間」とはみなしていない気もします。

新たな淺川(もうちょいソフトな方法で、労働者と資本家の間に入る人)を
どこかからか調達してきて、中間管理職をさせるのでしょうね。

そうやって、労働者が、ちょっとすつ資本家から「分け前」を勝ち取って
現在にいたります。

ただ「ワーキングプア」とよばれる方たちがでてきたりで、
「資本家」「労働者」の間の関係が複雑に、巧妙になってきて
「労働者」に多くが渡らないシステムができてきている気がします。

立場は違っても「みんな一緒に生きていく仲間」という意識が
根付くことを願ってやみません。

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夫の手紙:最後に。君は出逢った頃より小皺は増えたかもしれない。出会った頃より太ったかもしれない。でも、君のままの君が、若い頃の君よりも美しく、魅力的だよ」
夫の手紙を読んだ妻:「若さ」を追い求めていたのは、あなただけじゃない
(以上、引用)

カリスマ」では宗教団体、「黒い太陽」ではウォータービジネスを通して、人間の黒い部分、どうしょうもない愚かさ、愛おしさなどを書いた新堂冬樹が、アンチエイジングをテーマに書いた作品です。

「歳を重ねていくのは、素敵なことだ」と思っている自分にとっては、
「アンチエイジング」という言葉自体、ピンとこないのですよね。

それでもあの新堂冬樹がテーマにしたのだから...と読んでみました。

「若さ」と「美」への執着が、悲劇を生むというコメディです。
極端なカタチで表現されているので「そこまでやるか?」と笑えます。

ただ、デフォルメされている中に、自分の一部が垣間みれて「ドキッ」とします。
(お世辞だとわかっていながら、褒められると嬉しい、など)

落としどころは「若さや美より大切なものがある」なのですが、
ここまでこなきゃわからないのかしら?とも思います。

「若さを失っていくのが怖い」という方が読むと、
「アンチエイジング」に執着する愚かさがわかるでしょう。

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新堂冬樹氏の本を読んだ感想

君が悪いアンチエイジング


▼新堂冬樹氏の本


ライフデザイン・人生設計に効いた本一覧

課税される仕事と、課税されない裏稼業。 向こうの世界と、こちら側の世界 そして、それぞれの世界が精神に落とす光と影。 つきつめてしまえば、そこにボーダーはある。

垣根涼介の「ヒートアイランドのシリーズ」の第4弾。
午前三時のルースター」で父親探しをした少年が大学生になり、東大(!)に入学をしたカオルとであい、義妹と一緒に「ファイトパーティー」に行くことになって...、というお話。

あれだけクールな仕事を一緒にしてきたふたりですが、「雅」引退後は、別々の暮らしをしています。
裏稼業が板につきつつあるアキと、東大生になり、いまひとつ大学になじめないカオル。

「ニセ雅」退治のために再開し、決定的にそれぞれ違う道を歩むことになるまでの物語。

「あれだけ一緒にいたのに、今は違うよね」となる一線がテーマです。

昔からの友人に連絡をとり「相手と自分」のボーダーは何か?を確認したくなりました。


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垣根涼介の著作・作品一覧

垣根涼介の書いた本の感想
借金取りの王子ボーダー―ヒートアイランド(4)

▼垣根涼介の作品


ライフデザイン・人生設計に効いた本の感想・レビュー・書評

鮫島:俺たちは機械じゃないんだ。ひとりひとりが人間で、迷いや不安をもってる。せめて自分で自分を肯定してやらなければ、いつか壊れてしまう。
香田:それは、お前だけだ。わからんのか。組織というのは、上の意思が下の行動になる。だから迷いや不安など感じる必要はない。何も考えず、上を絶対と信じることができる警察官には、そんなものはない。

ハードボイルド系:大沢在昌の代表作「新宿鮫」シリーズの第十弾。
ほぼ日刊イトイ新聞で2010年から週刊で連載がされていました。

一番最初の連載が「紙の雑誌」ではなく「ネット」というのが、目新しいですね。

さて、肝心のストーリーはと言うと...。
主な登場人物、みんなが「そうとしか生きられない人」たちばっかりなのよ。
よくも悪くも「変わらない」「変われない」人たち。

主人公の鮫島、上司の桃井、同僚の藪、22年間刑務所にはいっていた大男、大男を待ち続けたおかまちゃん、大男に借りのあるヤクザ、内調の香田、フーズハニーの晶。
みんな昔から変わらず、まっすぐに生きております。

事件が起こり、新宿に集まって、己の存在、利害、組織、信じるもの、愛のために頭をひねり、力を使い戦う、というお話。

言ってしまえば、それだけですが(苦笑)、人間のプライド、愚かさ、悲しさ、崇高さ、いじらしさ、などが凝縮されていて、いろんな登場人物に感情移入をしながら、百面相をしながら読みました。

最近、ドキドキ、ハラハラしていないひとにおススメです!

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大沢在昌氏の本を読んだ感想

新宿鮫Ⅹ 絆回廊ブラックチェンバー


▼大沢在昌氏の本


ライフデザイン・人生設計に効いた本一覧

僕(=父)はいつかあの子(=翔)が気がついてくれると思ってた。こんな社会の底辺で、安い給料でこきつわれるのはイヤだって奮起してくれるのを待ってたんだ。だけど、この頃わかった。あの子は、ずっと気づかないし、奮起しないだろう。僕は親(=おばあちゃん)にそうガミガミいわれたわけじゃないけど、いい学校出て、いいところに就職をしなければいけないっていう考えが刷り込まれていたんだろうな。だけどあの子にはまるでそれがない。おそらく奮起、なんてことと一生無縁に暮らしていくんだろう(夫婦の会話で父が母に言った台詞)

あのananを後ろから開かせる林真理子が「下流」とは?という思いから「下流の宴」を手にとりました。
2011年5月末からは、NHKでドラマ化もされています。
(原作と微妙に設定がかっているようですが。。。)

まあ、いつものように、えげつない、人間のあるがままの姿を赤裸々に語ってくれているわけです( ̄◇ ̄;)

自分の家庭を、東京の「いい家庭」と信じて疑わないの母(ドラマでは黒木瞳。以下同様)に飲み込まれそうになりつつ、マイペースに、4人家族の長男として愛されて育った翔(窪田正孝)と、沖縄の子沢山、親もいーっぱい!のおおらかな家庭で育ったタマちゃん(美波)とが結婚を決意したときから喜劇がはじまります。

うん。「悲劇」ではなくて「喜劇」だ。

翔の母や父(渡辺いっけい)のような価値観は、そういう考え方もあるよねー、とは思うのですが共感はできないのです。
苦労人のおばあちゃん(野際陽子)のようにがんばって生きてきた方には、素直に「凄い!!」と思えるのですが。

年齢はともかく。
私は翔であり、タマちゃんでもあります。

可奈(加藤夏希)のようには、生きてこなかったなぁ。
可奈のような女性をたいそう嫌っていた時期もあったのですが、37歳独女となった今では「あっぱれ」と思うようになりました。

最終的にはその人の「個性」とはいえ、昔の人も必ずしも「奮起」しなかったのではないでしょうか?
例えば...「ゲゲゲの女房(→読んだ感想)」のように、与えられた環境の中で精一杯生きていく人生も少なからずあったように思います。

ご飯が食べれて、住む場所があって、着るものがあって。それで充分。
「向上心がない」ように見えますが、「足ること」を知って「無い物ねだり」をしない生き方。

確かに翔の父の言うように「社会の底辺で、安い給料でこきつわれる」生活なのでしょうが、生きていくんであれば、それでいいのでは?と翔の生き方にシンパシーを感じたりもします。

そういった翔のような人間を理解もし、共感もする一方で、歯がゆくも思います。
私も、タマちゃんのように、何年かに1回は奮起をするので...

私にも「がんばれば、きっと、明日はいいことがある!」的な価値観がすりこまれていて、かつ、「そうだね。」と実感した経験もあります。

だから、翔でもあって、タマちゃんでもあります。

いろんな世代の価値観、思いが極端なカタチで書かれていて、面白い。
自分と異なる価値観、思いを理解しようとする入門書によいでしょう。

また、テレビドラマは原作と設定が微妙に異なるようです。例えば...
( ̄▽ ̄)σ受験のカリスマ(遠藤憲一)は、テレビドラマでは母の幼なじみですが、原作ではタマちゃんのバイト先のお客さん(ゲイ)の友人。
( ̄▽ ̄)σ父はテレビドラマでは、リストラされてしまうようですが、原作ではそのような設定はありません。
テレビドラマ「下流の宴」の公式サイト

テレビドラマで「林真理子の下流の宴」に興味をもったなら、原作を読んでみてもよいのでは?

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林真理子さんの著書・作品一覧


▼林真理子の作品


ライフデザイン・人生設計に効いた本の感想・レビュー・書評

keikeiakaka
管理人:けいけいあかか
自称:ライフデザイナー。 やりたいことが多すぎて、 人生の秋休み中。 節約&エコ&本&放浪好き。 2011年夏に日本一周を達成。 次は世界一周を夢見つつ webサイトの更新をする毎日です。


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